手のひらがくしゃりと丸まり、
はためく裾を掴みました
裾の下から覗く足は白く透き通って
蛙の足みたいに平べったくて薄い
掴んだ手の持ち主は言いました
「あなたはどこに行くのでしょう?」
平べったい足の持ち主は言いました
「あそこに見える灯台のもとに着くまで、
沼のように暗く、
しかしもっと深いこの海を渡りに行くのです」
手が聞きます
「沈みたいのではない?」
足が答えます
「泳いで渡るのです」
「さあさあ離していただけますか?
私はもう行かなければならない」
足は苛立つように足踏みをしながら裾を掴んでいるその手から逃れようとします
ぱっ と
手は裾を離しました
足の持ち主はその瞬間勢いよく海の中へ飛び込んでいきました
裾の中から見えた身体は、
やはり、蛙でした