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こぼれた言葉にあげる、せめてもの置き場所。
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■ (no subject)

ハッとして振り向くと陰が立っていた。

「ウィスキーは如何?」
スーツをきっちり着こなした男がトレーにグラスを乗せてすぐ後ろにいた。

「いらないよ、気分じゃないんだ」
似合わないドレスを引きずって走った。
どこに向かえばいいんだろう。
知ってるものなど何もないのに何を求めているんだろう。

怖くなった。
後ろを振り向けば男はまだ突っ立っていた。
「如何?」
まったく変わらぬ笑顔で問う。
「…いただこうかな」

焼けるような喉の痛みと癖の強い匂いに眉をひそめた。
「…強すぎる」
目のくらみを感じて跪くが、朦朧とした視界の中でも男の顔は同じ笑顔が貼りついたままだった。
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■ (no subject)

どうしようもなくむしゃくしゃして、
手にとった白紙をくしゃくしゃにして投げ捨てた。

紙くずは野球ボールみたいに気持ちよくは飛んでくれない。
高くて短い放物線を描いて、虚しく地面に落ちるのだ。

たすけてくれよ、誰かがいった。
救うのも掬われるのもお前次第さ、声が響いた。
■ (no subject)

朦朧とした視界のなかで、
気味の悪い太い指を思い出すより遥かに、
餅のように白い肌を思い出す方が至極簡単。

出来れば、好きなように字を並べたい。
苦しまずに済むなら堅苦しくならないよう酔っぱらった文字たちを踊らせていたい。


だけどくゆり漂う風だけでなく、かぎりなく粘性の強いどろどろした液体にも触れてしまった、
わたしは、逃げられなくなった
■ (no subject)

君が嫌いです
自分がよいと思ってやることは
全部駄目なものとしか見なされないから

君が好きです
強い態度やまっすぐな判断に大きな一歩を感じて憧れたから

でも君は私が大嫌いです
君の思う女の嫌な点が全部私に備わってるからです

多分ね
■ (no subject)

胸にあたる刃は棘のように強く刺さり、
だけど針のように離れ貫くことはありませんでした。

私は自分を殺せません。
それに、神様も殺させてくれないようで、
私は独りで勝手に死ぬことができなくなりました。

友達が言いました。

あなたの描く植物が好き。絵が好き。
自分が死んだら自分の世界が死ぬ。
住民も死ぬ。

私が死んで、私を嫌うひとが救われたり泣いてくれたりちょっと何かを思い直したり、してくれたらな、なんて甘えた期待を持ったけど、
それより自惚れと真似から出来たとはいえ愛した
少ないあの子たちが死ぬのは
きっと彼の人が泣くより寂しいことなんだ

まだちゃんとした場所に生かしてすらいないうちに
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