青い髪をした人が
細い指でその顔を包み込む。
「いないいないばあのつもりかい」
上から聞こえる声には答えず
目を伏せた
砂が擦れる音がして、
指を広げればもうそこには誰もいなかった。
いつの間に裸足で町の真ん中にいたけれど
迎えに来る人はいない。
懐かしい風の匂いがした。
青い髪は暖簾のように肩をかすり、
いつの間にかそれが伸びていたことを
教える。
手もちぶさたになった手をぶらぶら揺らして、
気だるげに肩をすくめて笑う。
「道に迷っちまった」
それでも見覚えのある赤い看板が見えるから、
そこまで歩くことにした。
そこに誰がいるだろう?
知らない誰かしかいないかもしれない。
それでも、目についた場所に行くしかないと
頭の中で誰かが囁いた。